2026年、明けましておめでとうございます

新年明けましておめでとうございます。 旧年中は大変お世話になりました。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
昨年は、KG+参加企画として、三田村光土里さんの滞在制作〈Weaving Everyday〉を実施したのに始まり、品川亮さんによる映画『ほそぼそ芸術-ささやかな天才、-神山恭昭-』の上映会、ソウルから招聘したホ・テウォンさんの〈洗濯日和〉、そして妙蓮寺のグループ展〈クアジ〉と連携した、ジャン・ピエール・テンシンさんによる〈Requiem Playground -80年目の巡礼-〉というように、充実した活動の続いた1年でした。
それぞれの表現やアプローチは異なりますが、振り返れば、場所の記憶、生き方としてのアート、日常の問い直し、個人的な体験を通した歴史への眼差しなど、ゆるやかに共通するテーマが浮かび上がって来るように思います。時間をかけて、ひとつながりのグループ展を行っていたような1年でもありました。
年末には、横浜の黄金町で、昭和40年会の還暦祝賀会「40+60=100」に出席してきました。 還暦の数字に合わせた60名の観客の前で、会田誠さん、小沢剛さん、パルコキノシタさん、松蔭浩之さんが、蕎麦打ちや、ポエトリーリーディング、紙芝居、エネルギッシュなギターライブなどを披露して、大いに楽しませてくれました。
京急の少し寂しいガード下に沿って歩く道。会場の高架下スタジオの扉を開けたとたんに聞こえる、弾むように賑やかな声。時折、高架の上を通り過ぎる電車の音。そして昭和40年会の面々。まるで28年前の、東武線の近くにあった向島の現代美術製作所にタイムスリップしたような、懐かしさも感じさせるイベントでした。
さて、もうひとつ、昨年は個人的にAI元年の年でもありました。 特に海外のアーティストとのメールのやり取り、テキストの翻訳や原稿の校正などは、AIのおかげでずいぶん捗るようになりました。何よりも驚かされたのは、チャットという形で発揮するその会話能力です。これまでSF小説、コミック、映画などで、ロボットやAIが登場する数多くの物語を読んだり見たりしてきました。しかし、そのすべてを凌駕するような会話能力を見て、もはや単なる道具というレベルをはるかに超えた存在だと感じています。
今や全国で開催されている芸術祭は、ネットやスマホの登場がなければ、今日のような隆盛を迎えることはなかったでしょう。AIの登場は、それ以上に、今後のアートの現場の質を変えることになるかもしれません。もちろんアートだけなく、日常の中にインフラとして浸透し始めたAIは、今後の社会のあり方そのものを、良かれ悪しかれ急速に変えていくことになりそうです。そんな予感を抱いた2025年でもありました。
今年も現代美術製作所は、相変わらずのマイペースで活動を継続していきたいと思います。 なにぶんワンオペで回している会場です。できることは限られますが、いつものように、ひとつひとつの展覧会やイベントを、そのつどあれこれ悩んだり楽しんだりしながら、少しでも納得のいく形で作り上げていけたらと願っています。
最後になりましたが、本年の皆様のご多幸を、心よりお祈り申し上げます。
現代美術製作所 ディレクター 曽我高明
by caf-mukojima
| 2026-01-03 13:47